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<1日目>7月15日(日)

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10時00分 受付開始

10時30分 オリエンテーション
10時45分 研究報告
<テーマ>  「特別支援学校(聴覚障害)における幼児期の絵日記活動を用いた言語発達支援に関する研究」
<講 師> 菅原充範(都立大塚ろう学校)
<講演概要> 絵日記活動は、保護者と連携して日常生活の中で聴覚障害幼児の言語発達を促す指導法の一つです。保護者が継続的に取り組めるように、児の認知・言語発達の系統性に基づいた支援に加え、保護者支援と関連付けた指導体制が求められます。本発表では、特別支援学校(聴覚障害)において伝統的に実践されてきた絵日記活動の現状と課題を整理するとともに、事例を交え、絵日記活動の在り方について話題提供できればと考えています。

11時45分 インフォメーション:分科会について、アンケートについて等
12時00分  昼 食 

13時00分  記念講演
<テーマ> 「ワーキングメモリと言語理解」 
<講 師> 苧阪満里子(大阪大学・脳情報通信融合研究センター教授 主任研究員)
 苧阪満里子先生は、1977年京都大学大学院教育学研究科博士課程を修了され、教育学博士。大阪外国語大学、大阪大学人間科学部で教鞭をとられ、現在は大阪大学脳情報通信融合研究センターの教授をされておられます。ご専門は認知神経心理学で、ご著書に「脳のメモ帳 ワーキングメモリ」(新曜社)や「もの忘れの脳科学」(講談社ブルーバックス)他があります。
<講演概要> ワーキングメモリ(working memory)は、目標を達成するために情報を短期的に活性化して行動をみちびく機能を持ち、私たちの行動を最適に制御する高次認知脳の基礎をささえている。なかでも、中央実行系(Central Executive)は注意の制御系であり、行動をみちびく統御システムである。ここでは、中央実行系の評価テストであるリーディングスパンテスト(reading span test: RST)を用いた個人差の比較により、言語理解に認められる個人差を引き起こすワーキングメモリの特徴と、その機能を支える脳内機構について紹介したい。

15時00分  コーヒーブレイク

15時30分 分科会 
 聴覚活用を共通のテーマに4つの分科会に分かれる。
 話題提供に基づいてディスカッション。
<テーマ:1> 補聴器・補聴器技能者との連携 中川辰男(横浜国大)

聴覚に障害がある乳幼児の補聴器のフィッティングに教師や言語聴覚士だけでなく、認定補聴器技能者や補聴器販売店との協力関係は益々欠かせなくなっている。ここでは神奈川の現状についてご紹介するとともに、参加された方たちと各地の様子を伺いながら、今後どのように乳幼児や学齢児の補聴器の管理を進めていったらよいか考える。

<テーマ:2> 人工内耳・乳幼児期のマッピング 城間将江(国際医療福祉大学)
人工内耳に長年携わっているにも関わらず、正直に言って、何となく知っているようで知らないのがマッピングである。迷いながらも勘に頼って電荷量を設定したマップで満足する装用者がいる一方で、細かな調整が必要な装用者もいる。装用閾値は「音の検知」ができているかを確認する上で重要だが、それだけでマッピングが適切とは言えない。なら魔法の解答があるかと問われると、それが提示できないのが辛いところである。やはり、装用者の聴性行動は反応に対して敏感である以外にないように思えるが、それだけだと根拠のある臨床とは言えない。分科会では、この葛藤を共有しつつ情報交換して臨床の改善に繋げていきたいと考える。

<テーマ:3> 乳幼児期の聴覚活用 村上たか子(川崎市中央療育センター)
乳幼児期の相互コミュニケーションと聞えのについて日々の療育や教育を元に皆さんとその重要性や課題について語りたいと思う。ここでは、まず、健聴乳児の聴覚情報と相互関係について、ビデオも交えて示し、同時に重度難聴乳児についてもビデオで紹介する。その上で、難聴児に聴覚情報をどう保障し、どう聴覚活用につなげていくのか、具体的に話し合いたいと考える。(定員に達したため申込みを終了しました)

<テーマ:4> 学齢期の聴覚活用 舞薗恭子(元横浜市難聴言語障害通級指導教室)
学齢期の難聴のある児童生徒は、教育歴や補聴歴、さらに入学時の聴覚活用の発達の傾向も様々である。学齢期の難聴のある子どもの抱えるコミュニケーションや聴覚活用の課題について話し合うとともに、どのように個々の聴覚活用の発達状況を把握して支援や指導につなげていくか、また自立に向けての聴覚活用の発達目標をどこにおくか等について、具体的な例をお示しして、参加者と共に考えたい。

17時00分 分科会終了

17時30分 放談会(フリートーク) 
      軽食や飲物を取った後、日頃の思いや聴覚活用について語り合う
19時30分 一日目終了

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<2日目>7月16日(月、海の日)

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9時00分 受付開始
9時15分 講演
<テーマ>
「難聴教育から見たワーキングメモリ〜談話プロセスと学習場面における諸問題 」
<講師> 
白井 一夫(新潟難聴中学生のための英語学習会)
<講演概要> 難聴中学生と長年にわたって接してきて、聴力レベルのみでは説明しがたい多様性を痛感する。そのコミュニケーションと学習のありようを検討するために、報告者は2014年の「難聴中学生の支援」という自書の中で、「記号処理」と「意味の構築」に基づく言語理解モデルを提案し、そこにワーキングメモリ(WM)も含みこんだ。今回は「WMはワーキングアテンションである」との観点から「難聴の子どもは記号処理に情報処理資源をとられてWMが狭くなる」「高次のチャンクを形成して効率的にWMを利用するための言語処理スキル」「記憶情報の一次的処理と学力形成」などの論点を掘り下げてみたい。

10時15分 休憩

10時25分 補聴器アップディト
<テーマ>「補聴器の最新機能から読み解く将来の子どもの補聴器
<講師> 
中川 辰男(横浜国立大学)
<講演概要> 乳幼児や学齢児が使用する補聴器は障害者総合支援法の適用を受けた補聴器がほとんどである。補聴器は日々進化し、今では一個で50万円を超える高級な補聴器も販売されている。そのような最新鋭の補聴器は子どもが使用している補聴器と何がどう違うのだろうか。最新鋭の補聴器から子どもの補聴器の将来を考えてみたい。

11時15分 人工内耳アップディト
<テーマ>EAS(残存聴力活用型人工内耳)の症例をもとに・国内外の現状」
<講師> 
射場 惠(虎の門病院)
<講演概要> EAS(残存聴力活用型人工内耳)は2014年に本邦で認可・保険収載され、徐々に装用者は増加している。高音急墜型聴力の方々にとって、これまで補聴器では補えなかった高音域の音情報を入力できる点で非常に魅力的で有用な人工聴覚機器であることは間違いない。一方で臨床の場においては、聴力のみならず聴覚活用状況や活用場所等々に個人差があり、手術に踏み切るか否かの適応判断は慎重に行なう必要がある。当科での例を参考に、適応と活用について考える機会としていただきたい。

12時00分 昼食
10時から13時まで補聴器の展示があります。

13時00分 講演
<テーマ>「乳幼児期のコミュニケーションの基盤の形成と聴覚活用」
<講師> 北 義子(国立障害者リハビリテーションセンター学院)
<講演概要> 新生児聴覚スクリーニングの広がりにより、難聴児の療育は、言語やコミュニケーションの発達に遅れを生じる手前、保護者と乳児のコミュニケーションの基盤の形成から介入することが可能になった。コミュニケーションの基盤とは私達が乳幼児の行動の何を、どのように捉え、観察し、かかわることによって培われるのか、具体的に映像資料でお示し、その効果について考察する。

14時00分 休憩

14時20分 講演
<テーマ>「聴覚障害とワーキングメモリ」
<講師> 長南 浩人(筑波技術大学)
<講演概要> 「聴覚障害児を対象としたワーキングメモリの先行研究では、聴覚障害がワーキングメモリの機能に与える影響、コンポーネント間の機能的連携における健聴児との異同、およびワーキングメモリの向上を目的とした介入の読み書き、学力に対する効果に関心がよせられてきた。本講演では、これらの研究を概観し、特に聴覚障害児のワーキングメモリの向上に求められる実践的な指導の方法について考察する。」

15時25分  まとめと次回に向けて
15時35分  終了